作家として、教師として。安城は、南吉が過ごした「第二のふるさと」。

02日通倉庫

童話『ごんぎつね』などで知られる新美南吉は、安城にゆかりの深い人物です。昭和13年4月、南吉は安城高等女学校の教員となり、英語・国語・農業を教えるほか、着任時に入学した19回生の担任として卒業までの4年間を受け持ちました。

この頃の南吉は作家としても充実した日々を過ごしており、昭和16年に初の単行本『良寛物語 手毬と鉢の子』が、昭和17年には童話集『おぢいさんのランプ』が相継いで出版されました。しかしながら同年11月頃から体調が悪化し、翌昭和18年3月22日に喉頭結核で29歳7ヶ月の生涯を閉じました。

南吉が安城で過ごした5年間は、教員という社会的地位を得て経済的に安定し、さらに教え子との交流から精神的にも充実していました。

この「安城時代」は、新美南吉がその短い生涯の中で最も輝いた時期ともいえるのです。

まちなかぶらっと壁画めぐり

03駅西小

南吉が通勤路としていたJR安城駅前商店街には、南吉や南吉作品を題材とした「南吉ウォールペイント」が描かれ、まちを表情豊かに彩っています。まちなかをぶらっと巡りながら、南吉の世界を楽しんでみてください。

ウォールペイント詳細

『大力の黒牛と貨物列車の話』(安城駅自転車駐車場)

昭和15年4月に書かれた『百牛物語』のひとつ『大力の黒牛と貨物列車の話』がモチーフです。当時安城駅前にあった金魚屋(現在の広千)に牛が飛び込んだ話から思いついて書かれた話で、「二本木」「アンジョウのステンショ」という言葉も登場します。力自慢の黒牛が起こした騒動の様子が楽しく描かれています。

01安城駅駐輪場

南吉の願いごと(日本通運安城倉庫)

星空を背景に、南吉の肖像、7つの作品のワンシーン、そして七夕まつりの竹飾りと「きーぼー」などが描かれた非常に大きな作品です。「願いごと、日本一。」をめざす七夕まつりと、安城で「童話作家になる」という願いを叶えた南吉にちなんで、初の童話作品集『おぢいさんのランプ』の表紙も描かれています。安城と南吉のつながりをより一層感じることのできる作品です。

[モチーフとなった作品名]
『おぢいさんのランプ』『貧乏な少年の話』『蟹のしやうばい』『ごんごろ鐘』『王さまと靴屋』『うた時計』『こぞうさんのおきょう』

02日通倉庫

『巨男の話』ほか(安城駅西駐車場)

安城時代の作品を中心とした9つのお話が描かれており、JR安城駅前のペデストリアンデッキからも見ることができます。たくさんの登場人物の中には、全部で4人の南吉の姿も描かれています。

[モチーフとなった作品名]
『巨男の話』『木の祭り』『ごんごろ鐘』『うまやのそばのなたね』『赤いろうそく』『みちこさん』『うた時計』『二ひきの蛙』『ガア子の卒業祝賀会』

03駅西小

「花」(伊藤商店)

女学生が教室に花を飾ってくれてうれしかった、というできごとが元で書かれた「花」という詩の一節が描かれています。

04伊藤商店

女学生と歩く南吉(博文堂事務機店)

生徒を指導して作った詩集「雪とひばり」の冒頭にある「生<ア>れいでて〜」の詩が添えられています。

05博文堂

『手袋を買いに』(旧・三好弥)

手袋をくわえた子狐が描かれています。

06三好弥

「石」(桜咲総合学院)

石に腰かけて、ほっとしている表情の南吉が描かれています。

09美光社

『春は梨畑から野道を縄跳びして来た話』(ふじや旅館)

昭和14年2月に、2月生まれの1年生3人が誕生会で上演するために書かれた戯曲が題材で、春を運んでくる妖精や、すみれ色の春の空などが描かれています。「箕輪」といった地名や、森永製菓のことと思われる「製菓会社」という言葉も出てくる安城時代らしい作品です。

10ふじや旅館

『落とした一銭銅貨』(都築医院)

雪の中、ふきのとうに助けてもらった雀のお話のワンシーンで、助け合うやさしい心が表現されています。また病院に描かれていることから「病気から元気になる」イメージも込められています。

11都築医院

俳句(丸長)

「うぐひすの 声のまるゝや けごん瀧」。この俳句は、昭和13年5月に南吉が4年生の修学旅行を引率した際に記した画帖「三人道中」に書かれたものです。俳句の情景を思わせるような梅の枝と鶯、そしてバックの瀧の青色が鮮やかです。

12丸長

商店街を歩く南吉(イワホリ)

背広に帽子、手にはステッキと英語の本という当時の「新美先生」の姿が描かれています。

13イワホリ

『お母さん達』(玉木屋)

お母さんになった小鳥と雌牛が、生まれてくる赤ん坊のためにカエルに子守歌を習っている様子です。一生懸命に練習するあまり夕方になってしまっている様子や、愛らしい動物たちの表情にも注目してください。

14玉木屋

『ラムプの夜』(金魚屋人形店)

昭和16年2月に開催された学芸会のために書かれた戯曲がモチーフで、ランプの光でつくった影絵と、影絵からやってきた訪問者の様子が描かれています。

人形の金魚屋

「りんごの車」(フルーツの金魚屋)

安城時代の詩ではありませんが、果物店に合う作品ということで選ばれました。

フルーツの金魚屋

『疣』(白洋舎安城店)

『疣』は、安城時代の作品でとてもいいお話です。3人の男の子が力と気持ちを合わせた名シーンが描かれています。

白洋舎

笑顔で走る南吉(八百文)

岩津天神に遠足に行った時の写真をモチーフとして描かれました。笑顔いっぱいの南吉を、ぜひ見てください。

15八百文

『花のき村と盗人たち』(クリエーションプラザ)

盗賊の弟子たち4人が、建物に忍び込もうとしているところです。

16クリエーションプラザ

『かんざし』(尾張屋呉服店)

かんざしを拾いにいくさかなと、かんざしを届けるさかなが描かれています。

17尾張屋

『牛をつないだ椿の木』(スミヤ)

大きな牛と椿の花、井戸のそばで休む子どもの姿が見られます。

18スミヤ

牛鍋を食べる南吉(吉野屋)

南吉が食事をしに訪れていたことから、牛鍋を食べる様子が描かれています。

19吉野屋

俳句(サイクルショップ二藤)

南吉の好きな花として知られるプリムラ。その花を題材に教え子に書いた俳句「ぷりむらハ わかるゝ頃に 咲く花ぞ」が書かれています。鮮やかな色も目を惹きます。

20サイクル二藤

『去年の木』(ささやき広場)

広場に向かって左側から右側へとお話のシーンが展開していきます。

21ささやき

『百姓の足、坊さんの足』『狐』『千鳥』(趣味の志ぼりおおた)

安城時代に書かれた3作品より。「しぼり」のイメージに合わせた紺色が特徴的です。

22おおた

『おぢいさんのランプ』(フットバランス)

木々に吊されたたくさんのランプが、幻想的に描かれています。

23フットバランス

南吉の世界観(南吉の世界観)

音楽を奏でる蓄音機、花々や動物たちなど、南吉のまわりに彼が好んだ世界が描かれています。

24南吉館_壁画01

『最後の胡弓弾き』ほか(南吉館:東側)

安城時代の3つの作品のワンシーンが描かれています。

[モチーフとなった作品名]
『花のき村と盗人たち』『最後の胡弓弾き』『和太郎さんと牛』

25南吉館_壁画02

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